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3Dセキュア2.0をECサイトで導入するメリットとは


ECサイトを運営している企業様の中には、カード決済時の不正利用に頭を悩ませているご担当者様が多いのではないでしょうか?近年は、コロナの影響によりEC事業に新規参入される企業も増えており、不正利用に対する対策は重要な検討事項の1つだと思います。本日は不正利用対策の中でも、3Dセキュアについてのお話をしたいと思います。
クレジットカード不正利用対策:3Dセキュアとは何か?

一般社団法人日本クレジット協会が発表したデータによると、2021年のクレジットカード不正利用額は330億円。2020年対比で130%となっています。 EC事業に新規参入する企業が増えたタイミングで、カードの不正利用額も大幅に増加しているところを見ると無関心ではいられないのではないでしょうか?
この様なクレジットカード不正利用の対策として3Dセキュアが存在します。ECサイトのクレジットカード決済時に「カード番号」や「有効期限」などのクレジットカードに記載されている情報以外に、クレジットカード契約者がカード発行会社に登録している「本人しか知らないパスワード」を入力させて認証する仕組みです。そのため、「なりすまし」などの不正利用を未然に防止することができます。
3Dセキュアを導入するメリット・デメリット

次にEC事業者にとって3Dセキュア導入するメリットとデメリットを見てきましょう。まずは、メリットから確認します。メリットは下記の2点となります。
3Dセキュア導入メリット
1.不正利用の防止
まずは、不正利用の防止に関してです。これはそもそも3Dセキュアを導入する企業が考える導入理由です。3Dセキュアを導入することで、カード決済時に契約者のみ知り得る情報を入力させるため不正利用の防止になります。
2.チャージバック保証が受けられる
チャージバックとは、カードの不正利用をされた場合、本来のカードの持ち主がカード会社に被害を申し出て受理されると返金されるという制度です。チャージバックが発生すると、基本的に店舗側でカードの不正利用で購入された金額を負担しなければなりません。商品を送ってしまった上に、金額も支払われない事態となります。簡単に言うと、タダで商品を渡してしまったという状況です。3Dセキュアを導入することで、カード不正利用時の金額はカード会社の負担となり、商品代金は店舗に支払われます。
3Dセキュア導入デメリット
3Dセキュアの導入におけるデメリットは「カゴ落ちユーザーが増える可能性が上がる」ことが言えます。逆にこのデメリットがなければ、設定やシステム調整という導入作業面の話を除けば、3Dセキュアは導入メリットだけとなります。カゴ落ちユーザーが増加するということは、すなわちCVRが悪化する懸念があるということになります。
その理由としては、「ユーザーが3Dセキュアのパスワードを忘れている」ことが挙げられます。このデメリットがあるため、3Dセキュアの導入に躊躇してしまうのです。
「3Dセキュア1.0」から「3Dセキュア2.0」への移行

今までお伝えした3Dセキュアの特徴は、「3Dセキュア1.0」と呼ばれる現行システムのものです。カゴ落ちのリスクが高いことから、EC事業者にとってはデメリットを大きく感じでしまう問題点がありました。その問題点を解消するべく、新たに「3Dセキュア2.0」が登場しました。また、複数のクレジットカード会社は「2022年10月を過ぎると、カードの不正利用発生時は3Dセキュア 1.0での本人確認が実施されている取引であってもチャージバック補償の対象外となる」という発表をしました。これにより3Dセキュア2.0への移行は加速していくでしょう。
3Dセキュア2.0の特徴を一言で言うと、「3Dセキュア2.0」は不正利用の可能性が高い注文に限定して本人認証を行うため、3Dセキュア1.0と比べてカゴ落ちのリスクが低くなる、です。
詳しく説明すると、下記の3点があげられます。
1.リスクベース認証を採用
2.本人認証の種類が豊富
3.アプリ対応
1.リスクベース認証を採用
3Dセキュア1.0では、全てのカード決済に対して、パスワードを入力する認証を行っておりましたが、2.0ではクレジットカードの不正利用の可能性が高い注文に限定して本人認証を行います。注文者のカード番号やカード発行国、住所、デバイス情報などをもとに、決済代行会社やカード発行会社が不正注文のリスク判定を実施します。
2.本人認証の種類が豊富
本人認証の方法はワンタイムパスワードや顔認証、指紋認証、声帯認証、虹彩認証などの生体認証、QRコードスキャンを用います。従来の様にカード所有者による事前登録パスワードがわからなくても購入出来るようになり、カゴ落ちのリスクは軽減します。
3.アプリ対応
3Dセキュア2.0では、モバイルアプリでも実装が可能になります。これによりユーザーに安心して購入してもらう場を提供出来る様になります。
これらの特徴がある3Dセキュア2.0ですが、導入するためには以下の準備をしておく必要があります。
1. 個人情報取扱いの同意を取得する
3Dセキュア2.0では、リスクベース認証を行うためにデバイス情報や属性情報など、個人情報になり得る情報を扱います。
そのため、EC事業者は個人情報保護法が遵守された規約になっているかを再確認し、取得の許可が得られる様に整備しましょう。
2. 決済代行会社、ECカートの確認
現在お使いの決済代行会社、ECカートが3Dセキュア2.0に対応しているか確認しましょう。3Dセキュア2.0の利用にあたり費用が発生する場合もありますので、計画的に移行しましょう。
3Dセキュアに関するまとめ
今後もECへ新規参入する企業は増加していくでしょう。それに伴いクレジットカードの不正利用も残念ながら増加すると思います。不正利用の負担額により利益が出ない事態になってしまっては、EC事業をやる意味も無くなってしまいます。持続的にEC事業を発展させるためにも、3Dセキュア2.0を導入することをおすすめします。

ECサイトのリスクマネージメントや売上アップでお困りの方はお気軽にご相談ください。
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