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<さらなるEC事業拡大へ>モールサイトではなく、
公式ECサイトを強化したいと考えるEC事業者がやるべきコト。


楽天、Amazon、Yahoo!/PayPayなどのECモールチャネルではそれなりの売上を立てることが出来ているが、公式ECサイトが全くうまくいっていない…。
この様な悩みを抱えているEC担当者の方は多くいらっしゃると思います。
事実、販売する商品にもよりますが、ECモールの方が、短期的に売上を創り上げることが出来る場合が多いです。
しかし、何とか公式ECサイトでユーザに買ってもらう方法はないのか・・・?
今回の記事では、ECモールでしか売上を上げるコトが出来ておらず、今後、公式ECサイトに力を入れていきたいEC担当者(EC店長様)に向けて、公式ECサイトを強化する方法を説明していきたいと思います。
なぜECモールでは売れて公式ECサイトでは売れないのか
複数チャネルでEC事業を営んでいる事業者様の中で、EC事業全体売上の9割以上が楽天・Amazon・Yahoo!/PayPayで構成されているというのはよくある話だと思います。 つまり残り1割の中に公式ECサイトが含まれており、公式ECサイトは全く売れていないという状態に陥っているということです。
会社からは公式ECサイトを強化するように指令が出ていることも多いのです。
しかし、ECモールで売上を上げるコトは何とかわかるけど、公式ECサイトは全く別物であり、ECモールの様な施策を実施しただけでは全く売れません。
この様な状況を打破するためには、何から検討していけばよいのでしょうか?
まずは公式ECサイトで購入するユーザの気持ちになり、なぜ公式で買わないのか、楽天、Amazon、Yahoo!/PayPayで買ってしまうのか、 ユーザの気持ちになってサイトを回遊してみるところから始めましょう。
実際に自分がユーザとして回遊してみると、多くの場合、公式ECサイトよりも楽天・Amazon・Yahoo!/PayPayで購入する方がユーザにとってはお得に購入することが出来るというすごく当たり前の理由があるコトに気が付いていただけると思います。
ほとんどの「モールが売れていて、公式ECサイトが売れていない」課題を持つ企業のECサイトでは、 上記のことが、公式で売れない理由の根本的な要因なのではないかと思います。
単純に、ユーザにとって公式ECサイトで購入するメリットがないのであれば、ECモールで購入する方が、お得だと感じるユーザが多いのです。
さて、ここで少しECモールについて、その目的を考え、モールが選ばれてしまう理由も説明しておきます。
ECモールが選ばれる理由
一般的に、楽天、Amazon、Yahoo!/PayPayなどのECモールの目的は「ネットで商品を購入したいと考えている人を集客して、 出店企業様の商品へ誘導する、もくは、購入して帰ってもらう可能性を高める」ことにあります。
そのために、ECモールでは、EC施策3種の神器として「ポイント」「クーポン」「値引きセール」の施策を様々に駆使し、ユーザを集客し、購入してもらうことに力を注ぎます。
このマーケティングコストたるや、もはや大手ECモールでは年間数千億円となります。
ECモール側が多くのユーザを集客するタイミングで出店企業側も、そのモールが決めたセール期間に合わせて、ポイント・クーポン・値引きセールを実施します。
さらに、このセール開催に関してはモール側の仕切りでイベントがコントロールされるため、各ECモールの収益や売上が大きくなるにつれて、セールイベントの開催回数が増加し、 イベントとイベントの期間がより短縮化、気が付けば1ヶ月の内20日以上は何かしらのお得なイベントを実施している状態となります。
このECモールにおけるセール地獄が、ユーザに対して公式ECサイトで購入する理由を奪っていく最大の要因となってしまうのです。 ユーザからすれば、セールが実施されている「ECモールで購入することが一番お得である」という認識を持ってしまいますし、 公式で買わなくてもモールでセールやるからその時に購入しようと考えてしまいます。
普通に考えれば人は得にお買い物をしたいと考える生き物です。
ECモールにおけるセール地獄が公式ECサイトの売れない状態を引き起こしている可能性があると考える必要はあると思います。
さらに深い議論をすれば、結果として、公式ECサイトを大切に育てていくことをEC事業の柱にしている企業からすると、ECモールは出店しない方がいいのではないかという議論にもなります。
この議論もEC事業戦略全体として検討しなければいけない議論であり、今回の記事では割愛しますが、 企業としてEC事業で目指すべき姿を明確にすることで、この辺のチャネル戦略も決まってくることになります。
ECモールの目的と公式ECサイトが売れない要因のついて、少し触れたところで ユーザが商品を購入する際に感じるメリットが「公式<モール」となってしまっている状況を打破するための、「公式ECサイトだからこそ実施すべきサービス」を確認してきたいと思います。
サービス①:ベストプライスレートサービスの提供
通常のECサイトだけでなく、ホテルや旅館などのサイトにも多くみられるサービスがベストプライスレートサービスです。
要するに公式ECサイトで購入・お申込みする方が、ECモール経由よりも安くてお買い得ということです。
ベストプライスレートの様に、価格面で明確に公式ECサイトのメリットがつけられるのであれば、それはユーザにとっても公式ECサイトで購入する動機に繋がります。
しかしながら、そもそも先程説明した通り、モール側が主体となって発行するポイントやクーポンによって、公式ECサイトがベストプライスにならない場合もあります。
公式サイトでは、下記の様な社内的な軋轢により更に厳しい状況を強いられる場合も少なくはありません。
● 公式ECサイトでは定価販売が必須
● メーカーとして販社との関係上、優待施策が出来ない
● ブランド毀損となる値引きやクーポン・ポイント等の施策が禁止されている
上記のような様々な理由で実現性が低くなることが予想されます。
この様にベストプライスレートはユーザにとっては非常にわかりやすい動機になる反面、企業として導入することが難しい場合もあるので、 導入する際はルールやデメリットを同時に検討しながら導入に向かっていくことが重要となります。
サービス②:充実したアフターサービスの提供
アフターサービスを拡大させることも公式ECサイトでは重要なユーザメリットになりうるポイントです。
例えば、
● 保証期間を延長できるサービスの提供
● 商品の利用方法についてレクチャーするサービスを提供
● 返品や交換に対して柔軟なサービスを提供
● 購入後のお問合せや相談を充実
を付帯するなど、様々なアフターサービスの充実が考えられます。
公式ECサイトでこうしたアフターサービスを拡大して提供することで、より成長できる可能性が高い理由があります。
ユーザが公式ECサイトに求めていることが、安心や安全という感覚であるということです。
近年、ECモールでも不良品や偽物の取り締まりや強化されてきており、10年前に比べれば、安心してお買い物できる意識は高まりました。
しかしながら、未だ不良品や偽物が販売されていることも事実です。
ECモールがそのような状態であれば、信頼できる公式ECサイトで購入すれば必ず大丈夫だろうとユーザは考えるため、この安心・安全という感覚が、公式ECサイトを利用するユーザの動機となります。
この様なことから、アフターサービスの充実は、より安心してお買い物をしたいと考えるユーザの購入に対する安心感をさらに与えることになり、 公式ECサイトが導入するサービスとしては非常に有効であると考えられます。
サービス③:公式ECサイト限定販売商品を設定
ユーザが公式ECサイトを利用する理由として、そのサイトでしか購入できないという限定感を軸とした回答をよく目にします。
これは当たり前のことであり、そもそも欲しているユーザが多く存在する商品はECモールで販売しなくても、公式ECサイトで販売するだけで必ず売れます。
また、この考え方はECサイトごとの掲載商品ラインナップを検討するEC戦略でも必須の考え方となります。
例えば、自社販売商品が全体で100アイテムあったとして、 公式・モールの両方に100アイテムを全て掲載するのは公式ECサイトを伸ばす戦略を組んでいるのであれば、これはNGとなります。
この100アイテムの中で、人気があり毎年すぐに売り切れてしまうような商品は、公式ECサイトだけで販売するようにします。
そうすることで、公式ECサイトとECモールサイトの違いを生み出すことができ、ユーザに対して公式ECサイトで購入するメリットを作ってあることが出来るのです。
サービス④:新商品の販売は公式ECサイトを先に実施する
新商品などを販売する際に公式ECサイトとモールサイトの販売を同時とせず、公式ECサイトの方にて先行販売することも有効なサービスとなります。
こうすることで、公式ECサイトでお買い物をしているユーザが優先されていることを、ユーザに対してもアピールすることが出来ますし、 ユーザからすれば優先的に商品が購入できる可能性が公式ECサイトだからあるのだと理解しますので、公式を利用するメリットを見出してくれることにもつながります。
この様に、公式ECサイトを強化する方法はこれ以外にも様々に存在します。
取り扱っている商品やサービスによっても異なりまし、対象としているユーザの価値観によっても変化しますが、本質的に公式ECサイトを伸ばしていくためには「公式ECサイトで購入する理由付け」をユーザに対して明確に宣言することが重要となります。
現状、公式ECサイトに関して具体的な戦略が決まっておらず、日々のECモール内で開催されるセール対応で業務が終わってしまい、 何とか公式サイトの売上を伸ばしたいけど、時間もなく考えても、その考え方すらよくわからず悩む担当者様は多くいらっしゃると思います。
しかしながら、EC市場の変化は待ってはくれません。
SNSを中心としたユーザとのコミュニケーションやファンとのかかわり方など、公式サイトでしか行うことができない領域は増えております。
さらに、D2Cを進めていこうと考えているメーカー企業にとっては、ECモールはユーザのデータを利活用するには非常に効率の悪い状態です。
このようなEC市場の変化の中、持続的に成長させることができる公式ECサイトとユーザを創造できる企業が、将来のEC市場の中で勝ち残っていくと考えることができます。
当社でも公式ECサイトにおいて、売上を伸ばすためのEC戦略や施策、システム開発、サイト構築、運用でお困りのお客様を数多くお手伝いさせて頂いております。
企業規模は問いませんので、是非、公式ECサイトの拡大にお困りのお客様はお問い合わせください。

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