BLOGECコンサルブログ
楽天市場に出店するメリットとデメリットを徹底解説


執筆:株式会社Crescent ECコンサルティングチーム
(この記事は約10分でお読みいただけます)
日本のEC市場において、楽天市場はAmazonと並ぶ二大モールのひとつです。「楽天経済圏」という独自の経済圏を持ち、楽天ポイントを軸にした強固なユーザー基盤が最大の特徴です。しかし、楽天への出店を検討する企業の多くが、「想定以上に運用が複雑だった」「コスト構造がわかりにくい」という現実に直面しています。
株式会社Crescentでは、数百社以上のEC事業支援実績の中で楽天市場の運用を熟知しています。本記事では、楽天市場に出店するメリットとデメリットを、Amazonとの対比を交えながら包み隠さずお伝えします。
Amazon vs 楽天市場|「モールの違い」を理解する
楽天市場のメリットとデメリットを理解する前に、Amazonと楽天市場の根本的な違いを押さえておくことが重要です。この違いを理解することで、自社の商材・戦略にどちらのECモール(Amazon/楽天)が向いているかを確認していきます。
| 比較項目 | Amazon | 楽天市場 |
|---|---|---|
| ユーザー層 | 目的とする商品が明確・価格重視 | 楽天ポイント目当てやセールイベント重視 |
| 出店形態 | セラー / ベンダー | 出店プラン(月額固定+手数料体系) |
| ブランド構築 | スポンサーブランド広告等でブランド訴求は一部可能 | CV(売上)広告中心・ブランド訴求が難しい |
| 価格競争 |
価格競争あり 同一ASINで価格競争が発生 |
価格競争あり クーポン・ポイント競争も発生 |
| 非型番商品 | 弱い(検索型なので型番商品が有利) | 強い(回遊型&ウィンドウショッピング) |
| セール施策 | プライムセール・スマイルセール・タイムセール等(比較的シンプル) | 楽天スーパーSALE・楽天お買い物マラソン等(買い回りイベント・頻繁に実施) |
| 顧客データ | 取得不可 | 取得不可 |
Amazonは「買いたい商品が決まっていて最安値で買う」型番商品検索型であるのに対し、楽天は「ポイントを貯めながらお得に買い物を楽しむ」回遊型の購買行動が多い傾向があります。この違いが、向いている商材・戦略に大きな差を生みます。
楽天市場に出店する5つのメリット
楽天市場ならではの強みと、出店することで得られるメリットをご紹介します。
①楽天経済圏ユーザーへのリーチ|ポイントを軸にした購買促進
楽天市場の最大の強みは、「楽天経済圏」と呼ばれる巨大なエコシステムです。楽天カード・楽天銀行・楽天モバイルなど多数の楽天サービスと連動した楽天ポイントが、ユーザーの購買行動を強力に後押しします。
楽天ポイントを目当てに購入するユーザーは購買意欲が高く、ポイント倍率を高める施策を適切に設計することで、集客力を大幅に高めることができます。
- 楽天会員数は1億人超(2024年時点)の巨大な顧客基盤
- ポイント目当ての購買はリピート率が高い傾向
- 楽天カードユーザーは高単価・高頻度購買層が多い
②非型番商品・オリジナル商品の販売力
Amazonは型番や商品名で検索して購入する「型番検索型」のモールであるのに対し、楽天は「回遊型」の購買行動が多い特徴があります。ユーザーが「なんとなくいい雰囲気のものが欲しい」「テイストで選びたい」というニーズに応えやすいのが楽天市場です。
そのため、非型番で検索に引っかかりにくいようなオリジナル商品・ギフト商材・食品・インテリア等のカテゴリーで、Amazonよりも高い販売力を発揮するケースがあります。
- オリジナル商品・ブランド品・ギフト商材で強みが出やすい
- 回遊ユーザーによる「ついで買い」「セット買い」が発生しやすい
- テイスト・世界観で選ばれる商品ほど楽天との相性が良い
③クーポン・ポイント・LINE・メルマガ等の販促施策の柔軟性
楽天市場では、クーポン設定・ポイントアップ施策・LINE配信・メルマガ配信など、自店舗独自の販促施策を比較的自由に組み合わせて実行できます。Amazonでは顧客への直接コミュニケーションが制限されているのに対し、楽天ではメルマガやフォローメールを活用したリピーター育成が可能です。
- 自店舗のLINEやメルマガでリピート購入を促進できる
- クーポン設定・ポイント設定が柔軟でセール時の集客に活用しやすい
- 購入履歴に基づいたセグメント配信も可能
④ 自由度の高い店舗ページ
楽天市場ではGOLDというサービスを申し込むことで、自由にページを作成することができます。そのためAmazonと比較すると比較的自由度が高くページを作成することが可能です。
- 一部HTMLを使った独自の店舗デザインが可能
- ノーコードでのページ作成も可能
⑤楽天スーパーSALE等のイベントによる売上機会
楽天市場では年4回(3・6・9・12月)の楽天スーパーSALE、毎月開催の楽天お買い物マラソン、ブラックフライデーなど、大型セールイベントが豊富に存在します。これらのイベントに適切に参加・対応することで、通常月の数倍の売上を一気に獲得できる機会があります。
- 楽天スーパーSALEは年4回・モール全体のビッグイベント
- 楽天お買い物マラソンは毎月開催で定期的な売上の山を作れる
- イベント参加で検索露出が大幅に増加する
楽天市場に出店する5つのデメリット
楽天市場には見過ごせないデメリットが存在します。出店前に必ず理解をしておくことが重要です。
①出店費用・コスト構造の複雑さ
楽天市場の出店コストは、月額固定費・販売手数料・広告費・ポイント原資・アフィリエイト費用・システム利用料など、多岐にわたる項目で構成されており、「実際に月いくらかかっているのか」が非常にわかりにくいのが実態です。
Crescentが支援してきた企業様の中には、「出店前の試算と実際のコストが乖離していた」というケースが少なくありません。※プランの詳細は楽天市場のHPをご確認ください。
-
月額固定費
:
プランによって2.5万円〜13万円程度
-
販売手数料
:
プランにより売上の2〜7%程度が発生
-
ポイント原資
:
SPU対応や独自ポイント付与でコストが増加
-
LINE・メルマガ作成・配信
注意
出店前に月次・年次の詳細な損益試算を作成することが必須です。Crescentでは詳細な事業計画を策定することが可能となります。
②セール運用の煩雑さと運用負荷の高さ
楽天市場最大の特徴であるセール施策は、同時にオペレーション上の最大の負担でもあります。楽天のセールは基本的にほぼ毎月前半・後半の2回ペースで開催されており、年間を通じてセール準備・商品登録・クーポン設定・ポイント設定・メルマガ作成/配信・LINE作成/配信を繰り返す必要があります。
楽天セールカレンダー概要
以下の表は楽天市場のセールスケジュールの目安です。楽天スーパーSALEは3・6・9・12月前半に開催、それ以外の月は楽天お買い物マラソンが前後半に開催されます(11月はイーグルス感謝祭・ブラックフライデーあり)。
参考として、楽天市場の大枠のイベント内容イメージを記載します。
もちろん変化することはありますが、大枠として理解していただければと思います。
| 月 | セール種別 | 備考 |
|---|---|---|
| 1月 | 前半:お買い物マラソン / 後半:お買い物マラソン | 年初の需要を取り込む重要月 |
| 2月 | 前半:お買い物マラソン / 後半:お買い物マラソン | バレンタイン需要あり |
| 3月 | 前半:スーパーSALE / 後半:お買い物マラソン | スーパーSALEは最大規模のセール |
| 4月 | 前半:お買い物マラソン / 後半:お買い物マラソン | 新生活需要あり・母の日対策 |
| 5月 | 前半:お買い物マラソン / 後半:お買い物マラソン | GW需要・母の日・父の日対策 |
| 6月 | 前半:スーパーSALE / 後半:お買い物マラソン | 父の日・夏物需要 |
| 7月 | 前半:お買い物マラソン / 後半:お買い物マラソン | 夏のセール対応 |
| 8月 | 前半:お買い物マラソン / 後半:お買い物マラソン | お盆需要・秋先行商材 |
| 9月 | 前半:スーパーSALE / 後半:お買い物マラソン |
秋冬商材の本格スタート 敬老の日 |
| 10月 | 前半:お買い物マラソン / 後半:お買い物マラソン | ハロウィン・冬物需要 |
| 11月 | 前半:お買い物マラソン / 中盤:イーグルス感謝祭 / 後半:ブラックフライデー | 11月は3回セールのことも |
| 12月 | 前半:スーパーSALE / 後半:お買い物マラソン | 年末商戦・クリスマス・ギフト需要がピーク |
近年では、1カ月にお買い物マラソンが3回実施される月もあります。是非、楽天に出店する前に、楽天で実施されるセール内容は理解しておきましょう。
③楽天SEOの理解と継続的な対応が必要
楽天市場内での検索順位(楽天SEO)は、商品ページのキーワード設計・レビュー数・売上実績・ポイント倍率・画像品質など多数の要素によって決定されるといわれています。しかしながら、最も効果が高いSEO対策は「売上を作ること」です。売上が高い商品は必ず検索上位に上がってきます。そのために実施するべき内容を記載します。
- 商品名・説明文へのキーワード最適化が必要
- レビュー数・評価が検索順位に影響する
- 売上実績(転換率)が上位表示に直結する
Crescentではクライアント様へのAmazon・楽天両モールのSEOノウハウを提供しています。検索上位を狙うための具体的な施策については、ご相談の上でお伝えしています。
④ブランディングのしにくさ
前述の通り、楽天市場の広告はコンバージョン(売上)を取りに行くための広告が中心であり、Amazonのスポンサーブランド広告・動画広告のようなブランディング向け広告が相対的に充実していません。
また、セールでの値引き、クーポンやポイント付与が常態化しやすい楽天の環境では、値引きによるブランド価値の毀損を恐れる高単価・プレミアムブランドにとっては戦いにくい面があります。
- 広告はCV重視・ブランディング広告の選択肢が少ない
- 値引き・クーポン・ポイント付与による価格イメージの低下リスク
- プレミアムブランドとの相性は慎重に見極める必要あり
⑤価格競争・ポイント競争へ巻き込まれるリスク
楽天市場でも競合店舗が多いカテゴリーでは価格競争に巻き込まれるリスクがあります。楽天の場合はポイント倍率の競争も加わり、「ポイントを積まないと売れない」という構造になりやすい側面があります。
重要
楽天市場はほぼ毎月前半・後半の2回ペースでセールが開催され、年間を通じて約20回以上のセール対応が発生します。楽天スーパーSALEの4回を含めると、年間の大半がセール準備・運用・振り返りのサイクルで埋まります。「楽天に出店したら自動的に売れる」という期待は危険です。
楽天市場における最大の落とし穴|セール運用の実態
なぜセール運用がそれほど重要なのか?
楽天市場ではセール期間中の売上が、通常月の数倍になることが珍しくありません。裏を返せば、セールに適切に参加・対応できなければ、競合他社との売上差が広がる一方です。
セール対応に必要な主な作業は以下の通りです。
-
ページ更新
:
セール用のバナー・画像・説明文の差し替え
-
クーポン設定
:
セール専用クーポンの作成・配布設定
-
ポイント倍率設定
:
独自ポイント倍率の調整
-
LINE・メルマガ作成・配信
:
セール告知・開催中・5と0のつく日の配信
-
広告設定
:
セール期間中のRPP広告・クーポンアドバンス等の調整
-
在庫管理
:
セール需要に対応した在庫確保・欠品防止
これらを月に2回ペースで繰り返すのが楽天運用の実態です。「担当者1名で楽天を片手間に運用する」という体制では、継続的なセール対応は極めて困難です。出店前に「誰がどの作業を担当するか」という運用体制の設計が必須となります。
Crescentでは楽天市場の運用支援として、セール対応・商品ページ最適化・楽天SEO・広告運用までをワンストップでサポートしています。「社内リソースが不足している」という企業様からのご相談も多数いただいております。
楽天出店に向いている企業・向いていない企業
楽天市場への出店がすべての企業に適しているわけではありません。自社の商材・ブランド戦略・運用体制に照らし合わせて判断することが重要です。以下、楽天出店に向いている企業と向いていない企業を記載します。この理由が知りたい企業様は是非、クレセントへお問い合わせください。
| 向いている企業 | 向いていない企業 |
|---|---|
| EC事業の売上を重視する企業 | ブランディングを重視する企業 |
| 非型番系商品・ギフト商品等のオリジナル商品に強みを持つ企業 | 完全に型番商品のみで差別化が難しい企業 |
| セール対応・クーポン対応・ポイント対応など値引き対応が可能な企業 | ブランディングを重視しているため商品の値引き対応がNGな企業 |
| 商品粗利率が60%以上の企業 | 商品粗利率が60%以下の企業 |
重要なのは、「Amazonに出しているから楽天にも出す」という安易な判断は危険だということです。Amazon・楽天それぞれで求められる運用スキル・体制・商品戦略は異なります。両モールを掛け持ちする場合は、それぞれのチャネルの特徴をとらえながら、両モールに対応できる体制を整えてから参入することを強く推奨します。
よくある質問(FAQ)
-
Q
Amazonと楽天どちらかひとつだけならどちらがいいですか?
-
A
商材によって異なります。型番商品・汎用品が中心であればAmazon、オリジナル商品・ギフト商材・食品などでリピーターを育てたいならば楽天が向いている傾向があります。ただし、最終的には競合分析・損益試算・運用体制を踏まえた判断が必要です。Crescentでは両モールの比較分析を含む戦略策定を支援しています。
-
Q
楽天のSEOを上げるために最初にやることは何ですか?
-
A
まずは「商品名・商品説明文のキーワード最適化」と「商品画像の品質向上」を優先してください。次にレビュー獲得施策(購入後フォローメール等)を実施し、売上実績を積み上げることで自然に検索順位が上がる土台を作ります。より詳細な手法に関して知りたい方は、是非、お問い合わせください。
-
Q
セール運用が大変と聞いて不安ですが、外部に依頼できますか?
-
A
はい、可能です。Crescentでは楽天の運用支援として、セール対応・ページ更新・メルマガ配信・LINE配信・広告運用まで一貫してご対応しています。「社内にEC担当者が1名しかいない」「楽天を始めたいが運用体制が整っていない」という段階からご相談いただけます。
まとめ
楽天市場に出店するメリット・デメリットを整理します。
メリット
-
メリット①
:
楽天経済圏の巨大なユーザー基盤・ポイントを軸にした集客力
-
メリット②
:
非型番商品・オリジナル商品・ギフト商材の販売力
-
メリット③
:
クーポン・ポイント等の柔軟な販促施策でリピーター育成力
-
メリット④
:
自由度の高いページ制作によるコンテンツの表現力
-
メリット⑤
:
スーパーSALE等のイベントによる売上機会創出力
デメリット
-
デメリット①
:
出店費用・コスト構造が複雑でわかりにくい
-
デメリット②
:
セール運用の煩雑さと高い運用負荷
-
デメリット③
:
楽天SEOの理解と継続的な対応が必要(対競合対策)
-
デメリット④
:
ブランディングが難しい、値引きによるブランド毀損リスクあり
-
デメリット⑤
:
価格競争・ポイント競争へ巻き込まれるリスクあり
楽天市場はほぼ毎月2回以上のペースでセールが開催され、年間を通じた運用体制の整備なしには継続的な成果が出にくい市場環境です。「出店すれば売れる」ではなく、「正しい戦略・運用体制で対応してはじめて売れる」のが楽天市場です。
Crescentは、楽天市場の出店戦略策定から日々の運用支援まで一貫してご支援できるEC専門のコンサルティングファームです。「どちらのモールに出すべきか迷っている」という段階でも、まずはお気軽にご相談ください。
Crescentの無料相談・お問い合わせはこちら。
楽天市場の出店戦略策定・運用支援まで、まずはお気軽にご相談ください。

2015年早稲田大学大学院/経営管理修士(MBA)、現在、ECコンサルティングはもちろんのこと、組織コンサルティングや新規ビジネスプロジェクト等、様々な企画へ参画し、その辣腕を発揮している。
関連記事
当サイトでは、サービス向上およびお客様により適したサービスを提供するため、クッキーを利用しています。 当サイト利用状況を分析したり、お知らせ(広告)を最適化したり、SNSへの連携を行うことを目的としています。 また、当社では、お知らせ(広告)と分析の用途で、サードパーティークッキーにも情報を提供しています。 お客様には、クッキーを許可するかを選択する権利があります。 詳細は当社のクッキーポリシーを確認してください。
承諾
Cookies policy
