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EC売上が伸び悩む企業に共通する5つの課題


執筆:株式会社Crescent ECコンサルティングチーム
(この記事は約10分でお読みいただけます)
「広告を増やしても売上が上がらない」
「サイトをリニューアルしたのに売上が上がらない」
「何をやっても売上が伸びていかない」
EC事業を運営していると、こうした壁に必ずぶつかります。
Crescentがこれまで数百社のEC事業を支援してきた中で見えてきたことがあります。売上が伸び悩む企業様のECサイトには、業種・規模を問わず必ず共通したパターンがあるということです。
この記事では、CrescentがEC支援現場で繰り返し目にしてきた「EC売上が伸び悩む企業に共通する5つの課題」を、原因分析と改善施策とともに解説します。自社のEC運営と照らし合わせながらお読みください。
EC売上が伸び悩む企業に共通する「5つの課題」一覧
まず、5つの課題を一覧で確認してください。複数に該当する場合、複合的な問題が絡み合っている可能性が高く、優先順位を整理した上で改善に取り組むことが重要です。
| 課題 | 共通する課題 | よくある状態 |
|---|---|---|
| 課題① | 売上が伸びない要因を正確に把握できていない | 原因不明のまま施策を打ち続けている |
| 課題② | 不要なECサイト改善ばかりで商品に目が向いていない | サイトを改善しても売れない商品は売れない |
| 課題③ | SNSなどの集客装置ができていないのに広告予算がほとんどない | 流入数不足の根本解決を後回しにしている |
| 課題④ | リピーターが育っておらず新規獲得コストが高止まり | LTV設計なしで毎回新規獲得頼みになっている |
| 課題⑤ | データではなく感覚でEC運営をしている | PDCAが回せず改善の方向性がブレ続ける |
重要
これらの5つの課題は、それぞれ独立した問題ではなく、連鎖して発生することがほとんどです。たとえば「感覚で運営している(課題⑤)」企業は、同時に「原因把握ができていない(課題①)」状態に陥っています。まず自社がどの課題に当てはまるかを正直に棚卸しすることが改善の第一歩です。
課題① 売上が伸びない要因を正確に把握できていない
Crescentへのご相談で最も多いのが、「売上が伸びない原因がわからない」というご相談です。「とにかく売上を上げたい」というご要望の裏には、現状の数値把握・課題の特定が不十分なまま施策を実行し続けているという実態が潜んでいます。
なぜこの課題が起きるのか
- 売上分解(訪問者数×転換率×客単価×リピート率)を行っていない
- KPIを設定していないため、何が問題かを数値で判断できない
- 施策の効果検証をしておらず、何が効いて何が効いていないかが不明
- アクセス解析(GA4等)のデータを定期的に確認していない
- 売上分析に対するロジックや手法がわからない
「売上が下がった」という事実を確認するだけでは不十分です。「訪問者数が減ったのか」「転換率が落ちたのか」「客単価が下がったのか」「リピーターが来なくなったのか」を分解して特定することで、はじめて打つべき施策が見えてきます。
改善施策
-
売上分解ツリーを作成する
:
EC売上=訪問者数×転換率×客単価×リピート率の4指標を月次で管理する
-
KPIダッシュボードを整備する
:
GA4・モール管理画面のデータを一元化してレポートラインを確立する
-
前月比・前年同月比の
数値比較を習慣化する:
「どの数値がいつから変わったか」を時系列で追えるようにする
-
仮説→施策→検証の
サイクルを明文化する:
「なぜこの施策を打つのか」の根拠を必ずデータで示す
課題② 不要なECサイト改善ばかりで商品に目が向いていない
ECサイトのデザインを変えた、商品ページを改善した、広告のクリエイティブを変えたのにもかかわらず売上が変わらない。その場合、問題はサイトではなく「商品そのもの」にある可能性が高いです。
Crescentの支援現場では、サイト改善に多大なコストをかけながら、そもそも商品が市場に求められていない・競合商品との差別化ができていないという根本的な課題に気づいていないケースが少なくありません。
なぜこの課題が起きるのか
- 競合調査・市場調査を定期的に実施していない
- 自社商品の「なぜ選ばれるのか」が言語化されていない
- 価格・品質・デザイン等で競合との差別化ポイントが不明確
- ラインナップの見直し・廃番・新商品開発の検討をしていない
「売れないのはサイトのせい」と考えてリニューアルを繰り返す企業様がいますが、売れない商品はどれだけサイトを改善しても売れません。商品力の見直しとサイト改善は常にセットで取り組む必要があります。
改善施策
-
定期的な競合商品調査を実施する
:
価格・レビュー数・商品説明・画像品質を競合5社以上と定期比較する
-
顧客レビュー・問い合わせ
内容を商品改善に活用する:
購入者のリアルな声が最高の商品改善ヒントになる
-
売上上位・下位商品を分析する
:
何が売れていて何が売れていないかを把握し、ラインナップを最適化する
-
商品ページの訴求軸を見直す
:
スペックではなく「顧客の課題解決」ベースで商品説明を再設計する
課題③ SNSなどの集客装置ができていないのに広告予算がほとんどない
EC事業の売上が伸びない理由として、「転換率が低い」「商品力が弱い」と考えがちですが、実はそもそもの訪問者数が絶対的に不足しているケースが多く存在します。訪問者数が少ない状態では、転換率を改善しても売上インパクトは限定的です。
EC売上 = 訪問者数 × 転換率 × 客単価 × リピート率
訪問者数が月1,000人で転換率2%なら月20件の注文。訪問者数を3,000人に増やせば、転換率が同じ2%を維持できるという仮定の下では月60件になります。集客への投資なくして売上の大幅改善は困難となります。
なぜこの課題が起きるのか
- AIO・SEO対策を行っておらず検索エンジンからの自然流入がほぼない
- 広告(リスティング・SNS広告等)への予算配分が不十分
- SNS・コンテンツマーケティング等の中長期的な集客施策がない
- モール出店の場合、モール内SEO対策が不十分で商品が埋もれている
改善施策
-
集客チャネルごとの
訪問者数・転換率を把握する:
どのチャネルからどれだけ流入しているか、まず現状を正確に把握する
-
AIO・SEO施策に取り組む
:
検索キーワードの選定・商品ページの最適化・コンテンツ強化で自然流入を増やす
-
広告予算の適切な投資判断を行う
:
ROAS(広告費用対効果)を計測しながら、費用対効果が合う広告チャネルに投資する
-
SNS・コンテンツマーケティングを
開始する:
即効性はないが、中長期的なブランド認知と自然流入の増加につながる
課題④ リピーターが育っておらず新規獲得コストが高止まり
EC事業において、一般的に新規顧客獲得コストはリピーター獲得コストの5倍以上かかると言われています。新規獲得だけに頼るEC運営は、広告費が膨らみ続ける一方で利益が残りにくい構造になります。
Crescentが支援してきた企業様の中で、「広告費を使えば売上は立つが利益が残らない」という状態は、ほぼ例外なくリピーター育成施策が不足していることが原因でした。
なぜこの課題が起きるのか
- 購入後のフォロー施策(メルマガ・LINE・ステップメール)がない
- ポイント・会員プログラム等のリピートインセンティブが設計されていない
- LTV(顧客生涯価値)を指標として管理していない
- 定期購入・サブスクリプション設計を検討したことがない
LTV = 平均単価 × 平均購入回数 × 継続期間 × 収益率。LTVを高めることで、同じ売上でも広告費を削減し、利益率を改善することができます。リピーター育成はEC事業の「利益構造の改善」に直結します。
改善施策
-
購入後のフォローメール・
ステップメールを設計する:
購入1週間後・1ヶ月後など段階的なフォローでリピートを促進する
-
LTVを月次で計測・管理する
:
新規購入者数とリピート購入者数の比率を把握してリピート率目標を設定する
-
会員プログラム・
ポイント設計を導入する:
購入を重ねるほどロイヤリティが向上する仕組みを作ることがリピートへの強力なインセンティブになる
-
定期購入・
サブスクリプションモデルを検討する:
消耗品・食品・美容品などリピート性の高い商材は定期購入設計が有効(販売モデルの検討)
課題⑤ データではなく感覚でEC運営をしている
「なんとなくこの商品が売れそう」「この広告文の方がよさそう」「競合がやっているからうちもやろう」こうした感覚ベースの意思決定がEC運営の至る所で行われていると、改善の方向性がブレ続け、投資対効果の低い施策が積み重なっていきます。
データに基づいた運営ができていない企業は、何をやっても「なんとなく良くなった気がする」で終わり、再現性のある成長を実現できません。
なぜこの課題が起きるのか
- GA4・モール管理画面のデータを日常的に確認していない
- KPIが設定されておらず、施策の成否を判断する基準がない
- 施策分析⇒施策検証の仕組みがなく効果測定ができない
- 「競合がやっているから」「前任者がそうしていたから」が判断基準になっている
改善施策
-
週次・月次のKPIレビューを
習慣化する:
転換率・訪問者数・客単価・リピート率を定点観測し、変化に即対応できる体制を作る
-
施策の仮説と結果を記録する
:
「何のためにこの施策を打ったか」「結果はどうだったか」を記録し次回に活かす
-
A/Bテストを積極的に実施する
:
商品ページの画像・キャッチコピー・CTA等を比較検証して転換率を改善する
-
「他社がやっているから」ではなく
「自社のデータが示しているから」
を判断基準にする:
自社のデータに基づいた意思決定こそが再現性ある成長の土台になる
よくある質問(FAQ)
-
Q
5つの課題のどれから手をつければいいですか?
-
A
まず課題①(原因把握)から始めることを強く推奨します。現状の数値を正確に把握し、自社の売上が「訪問者数・転換率・客単価・リピート率」のどこで詰まっているかを特定することが、すべての改善施策の出発点になります。原因が特定できれば、課題②〜⑤のどれを優先すべきかが自ずと見えてきます。
-
Q
社内にEC専任担当者がいない場合、どうすればいいですか?
-
A
EC専任担当者がいない場合でも、まずGA4とモール管理画面のデータを週1回確認する習慣をつけることから始めてください。確認すべき指標は「訪問者数・転換率・売上・広告費(ROAS)」の4つに絞るだけでも大きな違いが生まれます。体制の整備が難しい場合は、Crescentへご相談ください。
-
Q
広告を増やしても売上が上がらない場合の原因は何ですか?
-
A
広告を増やしても売上が上がらない場合、主に「転換率の問題(サイトに来ても買わない)」か「広告の出稿方法(ターゲティング)の問題」「商品力の問題(そもそも欲しいと思ってもらえない)」のどれかが原因になることが多いです。広告費を増やす前に、転換率とその分母となる商品ページ・購入フロー・商品訴求軸を先に改善することが費用対効果を高めます。
-
Q
EC売上の伸び悩みをCrescentに相談する場合、何を準備すればいいですか?
-
A
現状の売上・訪問者数・転換率・広告費(ROAS)の数値があれば、初回相談でのヒアリング後に具体的な分析に入ることができます。数値が準備できない段階でも、紹介のお打合せでヒアリングをさせて頂きまして、御社に合わせた進め方をご提案させて頂きます。※補足※分析手法にフォーマットはありません。企業様ごとにEC事業の背景や置かれている状況、課題は全く異なります。従って、分析アプローチの手法も企業様ごとにオリジナルで対応をさせて頂きます。是非、ヒアリングにて御社のことを確認させてください。
まとめ
EC売上が伸び悩む企業に共通する5つの課題を振り返ります。
-
課題①
:
売上が伸びない要因を正確に把握できていない → 売上分解とKPI設定から始める
-
課題②
:
不要なECサイト改善ばかりで商品に目が向いていない → 競合調査・商品訴求軸の再設計
-
課題③
:
SNSなどの集客装置ができていないのに広告予算がほとんどない → SEO・広告・SNSの集客設計
-
課題④
:
リピーターが育っておらず新規獲得コストが高止まり → LTV設計・フォロー施策の構築
-
課題⑤
:
データではなく感覚でEC運営をしている → KPIレビューとA/Bテストの習慣化
これら5つの課題はすべて「原因を正確に把握してから施策を打つ」というデータドリブンな運営への転換が必要となります。感覚に頼ったEC運営から脱却し、数値と仮説に基づいた改善サイクルを回すことが、EC事業の継続的な成長へつながります。
Crescentでは、EC売上の伸び悩み解消に向けた現状分析・課題特定・戦略策定から、日々の運用改善まで一貫して支援サービスを提供しています。「何から手をつければいいかわからない」という段階からでも、まずはお気軽にご相談ください。
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2015年早稲田大学大学院/経営管理修士(MBA)、現在、ECコンサルティングはもちろんのこと、組織コンサルティングや新規ビジネスプロジェクト等、様々な企画へ参画し、その辣腕を発揮している。
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